2019年03月22日

SCANSNAP S500。溶けたローラーを仮修理

新古品で取り込み不良。溶けたローラを交換すれば治りそうですが・・

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とにかく見てほしいというので受領したSCANSNAPS500
確かにきれいでした。ずっと保存していたんでしょうね。

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相談を頂いた時の写真では問題ないと思ったローラーが、まったく消えていました。
なに? これ状態です。 写真で光っていたのは、金属の心棒だけの状態でした。
まわりは、水あめが付着したような状態。
これでは原稿取り込みは無理です。

で、なんとかならいかということですので、
ローラー部品を探すと、alibaba netでありました。


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ただちょっと高い。 納期に23日かかりますし。

とりあえず、溶けたローラーをシリコンテープで代用します。


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分解のネジは少ないですね。
とりあえず手でとれるものを外します。
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取り込みローラーは、問題なし。 着脱交換容易にできています。

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溶けたローラーは、上下に配置されていて、両方がベルト駆動されています。
でも、下側のローラーは問題なし。
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ネジ2本で、カバーが外れます。

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金属カバーを外すと、コネクタ接続が4カ所。
結構細かいコネクタで、不用意に外すと壊します。
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実際に電線が一本抜けてきました。
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どこへ戻せばよいのか。
コネクタの空きは2か所あります。
顕微鏡で見て、傷のある方に差し込んでおきました。(正解でした。)

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はめ込み接続が多いので、外すときは知恵の輪状態になります。
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溶けたローラーと心棒が見えてきました。
これを外さねば。
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Cピン(シーピン)一個外せば、ギヤはバラバラにできます。
ベルトは2本。

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溶けたローラーは、水のように伝わって、ギヤにまで入っています。
本当に水あめと一緒。ネバネバが煩わしい。

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軸を抜くには、ラッチ軸(赤矢印)を90度回せばOK(両側にあり)
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心棒はベタベタです。 ここにローラーがあったとは思えない状態。

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シリコンテープを巻いて、代替ローラーを作ります。

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径が12mmまで巻きました。 テープを足で押さえて引っ張りながら巻くと、シリコンが一体化します。
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左右の場所調整は、カッターで切り取り。

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円周方向に切って、長手方向に傷を入れると、輪ゴムがはじけるように除去できます。
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ギヤを戻すのは簡単ですが、ベルト掛けが大変。
なかなか入らない。 張力調整ネジを緩めると、ベルトが楽に入りました。
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くみ上げたところ、部品が出てきました。
これなんだっけ。 あー ローラーの下部の蓋でした。
溶けたローラーがべたべたで、取れないのであとできれいにしようと別にしていたものでした。
でも、シリコンは解けないので不要。
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動作確認はドキドキです。 電気的に壊したかもしれないし。

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結局良好に動作しました。
(WINXP-32bit機を出してきて確認。WIN7-32bitでは、取り込むのですが、なぜか画像が出ない。)

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性能良いですね。
早い、静か、紙の質を選ばない。 ボタンで一発取り込み。全体も小さいですし。
すべすべの広告紙、小さめのA4、くしゃくしゃなど含めた10枚程度を難なく読み込み、
失敗無く両面ともきれいな連続PDFになってました。

これは最新型が欲しい。

posted by 家庭用品修理士隊 at 16:15 | Comment(5) | TrackBack(0) | 修理改造相談

2019年03月18日

修理相談〜 スキャンスナップ500原稿がなかなか送り出せない

男の子 お世話になっております
富士通のscansnap s500についてです
先日オークションサイトで15000円程で売られていました。新品でしたので、多少古くても問題ないかと思い購入しました。実際に届いたものは、外箱は多少経年劣化があったものの、コード類やCDなどは未開封状態でほぼ新品に間違いなかったです。
何度か使用したのですが、原稿がなかなか送り出せない事が分かりまして、メーカーサポートに確認したところ、どうやら原稿を送り出すローラーのところに本来ついていなくてはいけないゴムのようなものが長年未使用だったため溶けてなくなってしまったとのことでした(画像3枚目)、2006年に発売されたもので13年も経過しサポートもとっくに終わり当然部品もない状態なので修理不可とのことでした。しかしこちらとしては15千も払って購入して使えませんではなんか納得がいかなくいろいろ探しているところでこちらのブログを見つけましたのでご相談させていただいています。
どうにかなりますでしょうか

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うらやましい うー
SCANSNAPは、原稿取り込みや書籍の電子化で定番の良い商品だと思います。
状況は典型的な経年劣化ですね。
まとめて入れた原稿を一枚一枚確実に取り込むために、いろいろな工夫がされていると思います。

取り込み不具合は、取り込み用ローラーの劣化が多いと思います。
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取り込みに関係するローラー部品(赤丸)
これが、適度な弾力と摩擦を持っているのですが、写真では劣化しているようには見えません。

ローラーを交換された方のサイトを見ると、激しく劣化していることがわかります。


自炊生活は楽しい♪  >> 5年後、ローラーがダメになったので交換
https://zigsow.jp/item/39393/review/238472


大きなローラーは、消耗部品として今でも入手できるようです。
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富士通のサイトより。

ピックローラユニット 交換周期は1年ごととされていますから、長期保存品はきれいに見えても劣化しているのかもしれません。
結構なお値段しますね。


ピックローラユニットは、Amazonなどで入手できます。


もう一つ、劣化消耗部品として、パッドがあります。
メーカーのサポートでは、こちらのことを言っているのかもしれません。
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富士通 パッドユニット (S500シリーズ用) FI-C511P

こちらは、ローラーよりは安価ですね。
いずれにせよ、消耗部品ですので、いずれ交換する必要がでると思います。

 

おすすめの対処


(1)とりあえず、ゴムやローラー部品で取り込む紙と接触する部分をアルコールや、溶剤で拭いてみるだけでも効果があると思います。
専用クリーナがベストですが。
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富士通 クリーナF1 FI-C100CF1

(2)パッドユニットの交換

(3)ピックローラーの交換

(2)(3)の交換は、簡単にできるようです。

トータルで見ると金額が増しますが、手で取り込むことを考えると費用対効果は十分にあると思います。

ただし、本音を言うと。 自分ならあきらめて、オークションでジャンクとして売って、新型を買いなおします。総合的にその方が幸福感が高いと思います。

あー 一つ自分ならやる対策として、シリコンテープ(自己融着型)を巻くと効果あります。
ただし、効果は短期間ですが。 紙(原稿)の表面には、細かい繊維やほこりがついていて、これがローラーに付着します。ですから、結局こまめな清掃が必要です。
  
巻くといっても、しっかり巻かないと、ほどけてしまいます。
ピックローラを外し、確認。 ねばついたり、へこみがあるようなら全部はがす。
芯(樹脂)の部分だけきれいにして、シリコンテープを伸ばしながら巻き付ける。
ローラの本の直径になるまで巻く。 (円周上に自己融着して、厚めのゴムローラのようになります。)

 

>その後 受領。検査でローラーが解けてまして、シリコンテープで修理

posted by 家庭用品修理士隊 at 23:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | 修理改造相談

2019年03月15日

電力メーター交換。停電なしでどうやって?

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電力量計交換:写真は交換前


要するに電気の検針メーター。 10年に一度は交換があるようですが、普段家にいないといつ交換されたか気にかかりません。毎月メーターの検針もされているはずですが、意識に無いですね。

今回は、たまたま家にいて、ピンポンされたら重装備の若い男性が立っていて、電力メーターを交換すると言います。
え? そんなのあったっけ。 聞いてないような。 停電するのに。

良く聞くと、外で作業するだけですし、停電もしません。 といいます。
あー そうなんだ。
えー でも、メーター交換するなら、電気は切るでしょう?

というわけで、ちょっと見学させてもらいました。

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取り付ける新型メーター

今回は、単なる定期交換ではなく、毎月の検針作業が不要ないわゆるスマートメーター。
使用電力がデジタル化されて無線で送信されるようです。
なるほど。 これをつけるわけか。 フーン。でも電線外さないと交換は無理でしょう。

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古い電力量計を外す作業

交換するためには、古い電力量計(電力量メーター)を外すわけですが、その前に何かを取り付けています。

あー なるほどー と気づきました。
「これって、バイパスですね?」 「そーです。」

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入力側の電線が、電力量計を通過して、出力側(家庭)へ流れます。
3本あるのは、単相100ボルトと、単相200ボルト用のため。

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端子カバーを外すと、電線と端子が現れます。

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カバーを外してあらわれた電線部分に、パイパスジグ(冶具)を取り付けて、電力量計の手前で直結させてしまおうということです。

バイパス冶具を取り付けて、ネジを締めてゆくと、電線に食い込んで導体に噛みこみます。
噛みこみが足らないと接触不良を起こすので、噛みこみネジは2本あります。

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電線バイパスのイメージ
電線をバイパス(迂回)させることで、入力側の3本は、そのまま出力に直結されます。
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電線は、パイパスされていますので、メーターを外しても停電になりません。
そして、新型を取りつけ、バイパス冶具を外せば、電力量計無停電交換が完了です。

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交換見学させてくれたイケメンの作業員さん。ありがとうございました。

ちなみに、装備に注目すると、ドライバはプラス用、マイナス用に電動ドライバを二本差ししていました。先端の金属部分は、テープで絶縁されていました。(ショート・感電防止)
あと、交換作業中はゴム手袋を装着。(作業性悪いですが感電防止ですね。)
そして、ヘルメットは全面透明カバー付き。(さすが。万一ショートすると、電線が爆発的に火花のように飛び散りますからね。)

ちなみに、バイパス冶具を付けてネジを締め込むと、電線の被覆がはがれ芯線がむき出しになります。
上下2カ所。 すると、そこへあたりまえのように保護キャップを取り付け、さらにその上に保護カバーが取り付けられました。 安全面は考慮されていますね。

ということで、一つ勉強させていただきました。
ありがとうございました。

注:上の記述は、作業を垣間見ただけの個人的に理解した想像です。確認したわけではありませんので、実際とは異なり、正確ではない部分があります。

posted by 家庭用品修理士隊 at 15:28 | Comment(3) | TrackBack(0) | 家庭用品勉強室
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