自動ボトルスプレー
今は必需品かもしれません。 修理できた例です。
自動式消毒スプレーの説明書。 手を出すと、ぴゅっとアルコールが出るようです。
故障状況
実物は、なんだかかわいいデザイン。 ですが、手を出しても、うんともすんとも無反応。
電池は新品が4本。 どうやら赤外線センサで手を検知して、ポンプを作動させるような感じです。 さっそく分解。
一枚の電子基板と、ポンプが見えます。 うーこれは修理困難かな?
ここで異変を発見。 基板をよく見ると、端子がすべて変色しています。
青っぽい。 えー? 緑青かな。
試しに、緑青をカッターで削ってみると、銅の色が見えてきます。
これは、基板全体の銅が腐食しているではないか。
表だけでなく、裏も。 この緑青部分はいわゆるスルーホール(through hole)です。
これは、表の配線と、裏の配線をつなぐ役割があります。
試しに、一部の接続を確認すると、どうもつながっていません。
基板断面での説明。 スルーホールが緑青(ろくしょう)により銅が腐食で欠け、一部で回路が切断(circuit open)
IC(マイクロプロセッサ)を剥がしてみると、スルーホールがいくつもありました。
補修
回路が切れているスルーホールを含め、複数の怪しいスルーホールをバイパスします。
ドリル(0.3mm)で突き通し、細線で表裏をつなぎます。
パイパス ジャンプでは、スルーホールに接する回路上に細線をハンダ付けし、裏面も同様に接続。
修理(wire jump)した部分は、この写真では4箇所。
あと、赤外線ダイオードがなぜか発光していないので交換。(デジタルカメラで赤外線を確認)
これで、電池を入れてみたところ、プシューっと動くではありませんか。 モーターが数回作動。
おー 反応した。
なぜ腐食したのだろう。 思うに、アルコールの吐出ノズルから内側に漏れているのかもしれない。
目に見えないような微妙な漏れでも、基板を痛めるには十分なのかもしれません。
対策として、基板の緑青発生部分をマニュキアを使って、防水処理。
結局、表裏全部塗ってしまいました。
蓋をして組み立てると、モーターポンプが一回だけ小気味よく作動するようになりました。
蓋の構造もポンプの一部を形成する設計。
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