片耳が聞こえなくなったイヤホンの修理です。

これは100円ショップで購入したものです。
100円でどれだけの性能だろうと思いましたが、リールやリード線は、もともと粗悪品は存在しないのでしょう。 普通に見えます。
ただ音質だけが、狭帯域であることがすぐにわかります。
要するに、どんなに良い音源を使っても、小さなラジオから出るような音になります。
それはそれで、語学の勉強などには向いているかもしれません。
今回の故障箇所は、ジャックの根本が切れかかっていたものでした。
音を聞きながら、リードをいろいろ揺すって、聞こえたり聞こえなかったりするところを探せばわかります。
全く聞こえない場合も、ジャックの根本が一番あやしいです。
これは、高級品でも同様の状況ですから、修理法はいっしょです。

根本を分解(切る)と、内部の銅線がボロボロになっていることがわかります。

リード線は、曲げに強いといっても、銅線には違いありませんので、限界があります。
簡単に切れないようにしくみは、合成樹脂紐の芯材が引っ張り強度を受け持ち、銅線はその回りを旋回するように巻かれています。
スプリングのようになっているので切れにくいわけです。
切れた部分を切断して、再度ジャックへ半田付けします。
リード線の導体は、ホルマル樹脂などで被覆されていますので、半田こてを長めに当てて、樹脂が焼けて消え、半田が馴染むまで待ちます。
一旦半田被覆が乗れば、ジャック上の半田とは一瞬で接合します。

半田付け後は、仮の状態で作動(聞こえること)を確認します。

分解した際のジャック持ち手部分を戻して、接着です。

切れ目はクランプで押さえながら、プラリペアで接着します。
プラリペアはこういう柔らかい樹脂にも良く馴染みます。
最初にアクリルパウダーをふりかけてから、溶剤を垂らします。
降りかけたパウダーは、再使用できるよう浅い瓶で回収しています。

少し改善させるため、リードを巻いて団子にして、ここを引っ張るようにします。
(効果はないかも知れませんが。)

これは、耳に入れるスピーカ部分の分解写真です。
コイルが、中央の円形磁石の溝に入って上下振動します。
振動は、透明フィルムを振動させて音になるわけです。
ここも振動によって、コイルへの給電部分が切れることがあるかと思います。
一つ半田付けの事でお聞きしたいのですが、ペースト(半ねり状のもの)と
液体のフラックスとはどういう使い分けと効果の差がありますか?
自分はフラックスはまだ持っていません。
先日、後処理用として自動車用のガス添加剤は購入しました。
ペーストとフラックス
言葉だけですと誤解があると思います。
ねった感じがペーストで、液体がフラックスというわけかたとした場合。
使いやすい方を用いるだけですね。
大きな部品にはペースト、小さな部品にはフラックスという感じです。
綺麗な部品には、糸ハンダの中にあるフラックスだけで十分です。
いずれにせよ、酸性のものは部品を痛めるので、なるべく使いません。
使ったときは、入念に洗浄をします。
要は半田が綺麗にのればいいわけです。 そのあたりは経験ですね。
http://www.edu.kobe-u.ac.jp/iphe-butsuri/pr/ji/handa.pdf