2012年09月02日

リール式イヤホンのリード線切れ修理






片耳が聞こえなくなったイヤホンの修理です。

 

リール式イヤホン

 これは100円ショップで購入したものです。

 100円でどれだけの性能だろうと思いましたが、リールやリード線は、もともと粗悪品は存在しないのでしょう。  普通に見えます。

 ただ音質だけが、狭帯域であることがすぐにわかります。

 要するに、どんなに良い音源を使っても、小さなラジオから出るような音になります。

 それはそれで、語学の勉強などには向いているかもしれません。

 

 今回の故障箇所は、ジャックの根本が切れかかっていたものでした。

 音を聞きながら、リードをいろいろ揺すって、聞こえたり聞こえなかったりするところを探せばわかります。

 全く聞こえない場合も、ジャックの根本が一番あやしいです。

 

 これは、高級品でも同様の状況ですから、修理法はいっしょです。

 

切れ

 根本を分解(切る)と、内部の銅線がボロボロになっていることがわかります。

 

リード線

リード線は、曲げに強いといっても、銅線には違いありませんので、限界があります。

簡単に切れないようにしくみは、合成樹脂紐の芯材が引っ張り強度を受け持ち、銅線はその回りを旋回するように巻かれています。

スプリングのようになっているので切れにくいわけです。

 

 

 動画


 

 切れた部分を切断して、再度ジャックへ半田付けします。

 リード線の導体は、ホルマル樹脂などで被覆されていますので、半田こてを長めに当てて、樹脂が焼けて消え、半田が馴染むまで待ちます。

 

 一旦半田被覆が乗れば、ジャック上の半田とは一瞬で接合します。

 

 テスト

 半田付け後は、仮の状態で作動(聞こえること)を確認します。

 

 

被覆を戻す

 分解した際のジャック持ち手部分を戻して、接着です。

 

プラリペア

 切れ目はクランプで押さえながら、プラリペアで接着します。

 プラリペアはこういう柔らかい樹脂にも良く馴染みます。

 

 最初にアクリルパウダーをふりかけてから、溶剤を垂らします。

 降りかけたパウダーは、再使用できるよう浅い瓶で回収しています。

 

 修理後

 少し改善させるため、リードを巻いて団子にして、ここを引っ張るようにします。

 (効果はないかも知れませんが。)





コイル

 これは、耳に入れるスピーカ部分の分解写真です。

 コイルが、中央の円形磁石の溝に入って上下振動します。

 振動は、透明フィルムを振動させて音になるわけです。

 

 ここも振動によって、コイルへの給電部分が切れることがあるかと思います。

 

 

 
posted by 家庭用品修理士隊 at 23:07 | Comment(2) | TrackBack(0) | 墨田のYさん
この記事へのコメント
いや〜  細かい作業で外科医の神経の縫合手術のようです。

一つ半田付けの事でお聞きしたいのですが、ペースト(半ねり状のもの)と
液体のフラックスとはどういう使い分けと効果の差がありますか?
自分はフラックスはまだ持っていません。
先日、後処理用として自動車用のガス添加剤は購入しました。
Posted by 横浜のT at 2012年09月03日 00:46
細かいのは嫌いじゃないですね。

ペーストとフラックス
言葉だけですと誤解があると思います。

ねった感じがペーストで、液体がフラックスというわけかたとした場合。
使いやすい方を用いるだけですね。
大きな部品にはペースト、小さな部品にはフラックスという感じです。

綺麗な部品には、糸ハンダの中にあるフラックスだけで十分です。
いずれにせよ、酸性のものは部品を痛めるので、なるべく使いません。
使ったときは、入念に洗浄をします。

要は半田が綺麗にのればいいわけです。 そのあたりは経験ですね。
http://www.edu.kobe-u.ac.jp/iphe-butsuri/pr/ji/handa.pdf
Posted by 墨田のY at 2012年09月03日 09:35
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