マウスのクリックが時々働かないときの修理です。
マウスがいつの間にか、たくさんあります。
ボールタイプや、レーザータイプ、ワイヤレスなど。
パソコンに付属してきたものもあります。
マウスは、人との接点なので、人が一人ひとり違うように、
マウスも合う合わない、使いやすい、疲れるなど微妙な器機です。
軽かったり、重かったりするだけで長時間の使用で差が出ます。
腱鞘炎(けんしょうえん)になると、マウスの操作ですら手が痛く感じます。
特にクリックがそうです。
今回は、使いやすいマウスの右クリックが時々作動しない状態です。
強く押すと働くのですが、余計に手が疲れたり、いらいらしたりします。
普通は買い換えるのでしょうが、新たに買ったマウスが合うかどうかわかりません。
ここは直します。
まず分解は、ねじ一本です。
マウスのコードはイヤホンなどと同様に、心材に絶縁銅線を巻いたタイプの、切れにくいものが使われていることに気づきます。
クリックのスイッチには、一般家電用のマイクロスイッチタイプが使われていました。
本来クリックスイッチの定格に、1A125Vは不要(過剰)です。
おそらくクリック感が良かったのでしょう。
スイッチを外すには、半田吸い取り線を使います。
ここでは1.3mm幅のものを使っています。
外したスイッチを、さらに分解です。
プラスチックの嵌め込み式です。
とがったドライバで外せます。
分解理由
(テスターで検査すると、接触不良だったため。)
接点を見るために、さらに分解します。
接点と端子接続図。
こんな感じでつながっています。
ばねの支点は二箇所になっていますので、
稼動時の接触抵抗を下げようとする設計ですね。
クリックで使うのは、図の端子B-C間です。
接点は、金メッキされていませんので、
マウスのような低電流で使うには弱そうです。
接点の右下が変色しています。
ここに当たっていたのでしょう。
全体をカッターの歯で均(なら)します。
組み立て後の導通検査(どうつうけんさ)も良好です。
組み立て時に一番難しかったのは、スイッチの接点バネの取り付けです。
顕微鏡を見ながら組み立てるのですが、指の震えが拡大されて地震のようです。
組み立て後のクリック動作は、すばらしく良好になりました。
(スイッチを分解せず、ほとんど使わないホイールスイッチと交換するという修理法もあります。)
マウスのクリック一考
クリックで手が疲れるのなら、と足でクリックしてみました。
しかし、かえって疲れました。
もっとクリック操作を軽くできる方法はないかと考え、ペンパッドとペンでクリックしてみました。
すると、普通の鉛筆の疲れ方が出ます。
それでは、歯でできないかと思いつきました。
そのうち作ってみようかと思います。
ですが、しばらくして手の疲れが消えれば忘れてしまいそうです。
調べてみたら同様の考えの特許出願がありました。
特許出願公開公報
特開2005-251138 データ入力装置
マウスピースにセンサを取り付けて、歯でパソコンを操作
この特許は、審査されず期限切れになっていますので、誰でも実施できます。
(他にも同様特許があるかもしれませんが。 あったとしても売ったりしなければ侵害にはなりません。)
個人的・家庭内実施除外説(弁理士会)
知的財産用語辞典(業として)
なんか、一種の運動競技のようなものかもしれません。
慣れの問題とか、やり続ければそれなりにできるようになるとか。
少さなテクニックを覚えたときはうれしいですし。