デジカメの電池に充電できなかった事例です。
デジタルカメラを毎日の散歩に持って行き、練習してます。
最初は重いし、写りが良くなという評価をしていましたが、単に使い方(腕)が悪いだけだと気づきました。
今ではとても気に入っています。
近くの神社の落葉
このカメラの電池は、別の充電器で行います。
ときどき電池に充電できなくなります。
充電器に入れ直すと、充電器のライトが点滅から点灯に変わります。(点滅と点灯の違いは何?)
点滅は充電状態かと思ったら、充電不具合の警告でした。 ときどき点滅がとまるので、接触不良だと感じます。
分解です。
ここですぐに問題に気づきます。
充電器の端子がスプリングそのものという点です。
電池の端子には金メッキが施されています。
これは、接触不良を起こさないようにするためのものです。
金が酸化しにくいためです。
酸化物が電気的絶縁物になります。
スプリングでは、なんらかの金属がメッキされているのでしょうが、酸化しやすくなります。
プラチナなら良いのですが、多分ニッケル等だと思います。
接触不良を解消するには、表面の酸化膜を除去すれば良いのですが、再発が懸念されます。
(メッキ部が削れ、鉄表面になると、容易に錆が生じます。)
そこで、接触部を金同士(きんどうし)になるようにします。
接触部に金メッキする方法はあるのですが、金メッキされた金属を半田付けする方法を取りました。
金メッキピンをスプリングに半田付けすれば、スプリングを金メッキしたようなものです。
スプリングへの半田付けはむづかしい部類に入ります。
もともとバネには半田がほとんど付きません。
半田付は、スプリングにメッキされた金属への半田付けになります。
要するに十分な熱量の半田コテとフラックスが必要です。
最初に半田の層を形成させておくことがコツです。
(半田メッキ下処理)
太さ(幅)がはみ出さないように気をつけます。
実際にケースを着けると、スムーズに動きません。
これでは、圧力が足りないことで接触不良になります。
これで、安心して充電できるようになりました。
デジカメの電池切れくらい悔しいことはありません。
メモリーカードの容量不足の時は削除で対処できますが、電池容量が無くなると全くのお手上げですからね。
昔はもっと簡単な、ペン型のメッキ装置があったのですが、最近は無くなった?
金メッキは、電子機器の接触においては常識以前の必須項目だと思います。
金メッキされていなければ、かならずいつか不具合を起こす。
昔、大学入試の共通一次試験で、英語のヒヤリングを個別配布の再生機方式に変えました。
このときに声が聞こえないと騒ぎになったことを思い出します。
あー、イヤホンジャック部に、金メッキしていないなと感じました。
それは後に金メッキ処理されたようです。
。イヤホンプラグも金メッキされ、既に本体に接続された状態で配布された。使用されている基板は1枚で、前年度よりもサイズが小さくなった。 ウイキペディア 大学入試センター試験より。
USB端子でも電極部には厚そうな金メッキがされています。
厚そうなのは、着脱時に摩耗するだろうからです。
ただ金メッキすれば良いわけではなく、接触圧も重要です。
この写真のように、丸みを持った端子であれば良好な圧力を得られますが、安価なUSB機器(メモリアダプタ等)では、平面に金メッキしただけの端子があります。
この場合、着脱回数が増えると摩耗により不具合が生じます。
金メッキされた平面電極
(実際に接触不良によるマイクロSDカード不認識を起こしました。)
これですね、簡易メッキ装置。
昔、サンハヤト製の同様の装置を使って平面を金メッキしたことがあります。 (極超短波無線装置のキャビティ部)
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p.s 注2013.12.20: この記載は、充電器に欠陥があることを指摘するものではありません。 メーカーでは、充電不良の場合には端子を確認するよう説明しています。
接触不良は、デジカメ用に限られず一般的充電器に生ずる通常あり得る現象です。
この事例での主な趣旨は、電極部への金メッキが接触不良改善に有効ですということを実例で説明するものです。
ただし希望的意見として、金メッキ+二重接点が最良かと思います。 (二重接点:にじゅうせってん。 片側一つが接触不良になる瞬間があっても、他の電極が導通しているので問題を生じない。 互いに補完する。 両方同時に不良になる確率は低い。 航空機など故障が許されない機器では、ダブル**、デュアル**、バックアップ**など、二重以上の装備で補完する考えが標準的)
電池部における金メッキされた二重接点の例
この場合には単純な平面接触ではなく、折り畳み機構部の接合(接続)であるので、信頼性確保のために採用したものと思います。 二重接点は、先端のバネ板を分割(切れ目)しただけのものですが、有効に機能していると思います。