2014年04月14日

テスター(回路計)半田不良。 今頃?

テスター不良

ポケットテスター(回路計)の不具合 電源が入らない youtube


長年使っていたテスター。
久しぶりに電源を入れたところ、動作しない。
あれー 相当信頼感があったのに。
(最も切れやすいリード線をロボット用の切れにくい線に換えています。ズボンの後ろポケットに入れて走り回るような過酷な条件下で使っていましたが、一度も不具合を起こしていませんでした。)

保管したままで使わないと壊れるか。

下部を押すと、正常に表示します。

これは接触不良です。
分解です。

テスター分解

しかし、これといって不具合が見つかりません。

ロータリースイッチ

一応中央のロータリースイッチも分解してみます。

接点に汚れはなく、きれいです。
洗浄
せっかくなので、開けたついでに接点洗浄です。
(イソプロピルアルコールを綿棒に染み込ませ。)

洗浄注意

この洗浄は、かえって不具合を起こすことがあるので要注意です。
綿棒の綿が出る
(綿棒からの綿ぼこり。)

綿棒から綿埃が出て、接点に付着すると接触不良になります。

マスキングテープ

綿埃を取るにはマスキングテープが最適だと思います。

 

再組み立て

再組み立てしましたが、まったく現象が変わりません。
ちょっと笑えます。(今までの作業は全くの無駄)


image
イモハンダ部分映像 youtube
どう考えても不良は電源系統です。
電源(電池)からの配線を顕微鏡で詳細に調べます。
すると、電池からのマイナス(-)線がイモハンダでした。

イモハンダ:半田が付いているように見えるけれど、浸透していない。半田と電線とが機械的には接触しているが、表面が合金化していない。 半田だけが、表面張力でイモのような形になる。
イモハンダ[4]

google 画像検索「イモハンダ


よくある初期の半田付け不良です。
このテスターは15年以上前に買ったものです。
機械的接触面に酸化膜が形成されて、今頃不具合を生じさせたわけです。

いつも使って、振動を与えていれば、たとえイモハンダでも接触面がこすれ、酸化膜を除去できていたので不良に至らなかったのかもしれません。

世の中の電化製品には、こういう例(長期間使用後にハンダ不良での接触不良)で故障するものが多く有ると思います。

製造過程でも、こういう部分が盲点なのだと感じました。
(回路基板は、熟練者による検査体制が作りやすいけれど、基板を組み込む作業は、技術のない人でも出来ると考える。)

 

イモハンダ
イモハンダ部分 (電線素線に半田が浸透していません。)

 

再半田後
再半田後 (半田が浸透し、素線が見えません。)

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家庭用品修理士隊

タグ:半田
posted by 家庭用品修理士隊 at 10:58 | Comment(4) | TrackBack(0) | 墨田のYさん
この記事へのコメント
流石にニコンの拡大鏡は写真が鮮明で状況がよくわかります。(欲しいけどオークションでも程々いいものは競り合いが激しい。)
イソプロピルアルコールをかけすぎて不具合を起こすこともあるというのは乾燥不十分だとということでしょうか? そういえばconnetor pinなどにジャバジャバかけるのが好きな人も昔はいましたね。
中学の時に夏休み中にトランジスタラジオの基盤の半田付けのアルバイトをしたことがあります。(日給600円ぐらいでした)
何の教育も受けずに見よう見まねでやったのですが、半田を盛らなくていいところにまで盛ってしまって迷惑をかけてしまったことを思い出しました。
イモ半田もかなり有ったと思います。
Posted by 横浜のT at 2014年04月14日 23:21
イソプロピルアルコールが悪いのではなく、それで磨く綿棒とか、モールとかの繊維が残ると絶縁物になるということです。
コネ久タのピンはまだしも、ソケットに繊維を使うと残って最悪だと思います。洗浄後の処理(エアーブローとか)が必要ですね。
あと、夏とかの湿度が高いときはアルコールの気化熱で冷やされて結露の問題がありますね。
液体が残ると、絶縁不良も怖いですし。
Posted by 墨田のY at 2014年04月15日 22:49
イヤ〜ッいもはんだの認識を新たにしました。いままでは電線とハンダの間では電気的通があるものの、ハンダと基盤の間で電気的通がないという現象しか認識してしていませんでした。なるほどこの映像では基盤とハンダはしっかり通があるのに電線とハンダの間で不通なのですね。 以前在職中ハンダ付けで使ったハンダゴテが20WくらいのPRINT CCT用のLOW PWRのものでした。60Wくらいのものが全て撤去されておりしかたなくつかいましたが、あれは今もちゃんと付いているかなとこの記事を読み思い出しました。 器材担当者の力量をうたがってしまいました。
Posted by 浦安のI at 2014年04月18日 21:08
手作業での半田付けは、消え行く運命のような気がします。(例:家屋の電気配線が、すべてカシメや挿入、ねじ止めでできるようになって半田付けは消滅)
半田付けは熟練を要する高度な作業なのだと思います。
Posted by 墨田のY at 2014年04月20日 09:59
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