ポケットテスター(回路計)の不具合 電源が入らない youtube
長年使っていたテスター。
久しぶりに電源を入れたところ、動作しない。
あれー 相当信頼感があったのに。
(最も切れやすいリード線をロボット用の切れにくい線に換えています。ズボンの後ろポケットに入れて走り回るような過酷な条件下で使っていましたが、一度も不具合を起こしていませんでした。)
保管したままで使わないと壊れるか。
下部を押すと、正常に表示します。
これは接触不良です。
分解です。
しかし、これといって不具合が見つかりません。
一応中央のロータリースイッチも分解してみます。
接点に汚れはなく、きれいです。
せっかくなので、開けたついでに接点洗浄です。
(イソプロピルアルコールを綿棒に染み込ませ。)
この洗浄は、かえって不具合を起こすことがあるので要注意です。
(綿棒からの綿ぼこり。)
綿棒から綿埃が出て、接点に付着すると接触不良になります。
綿埃を取るにはマスキングテープが最適だと思います。
再組み立てしましたが、まったく現象が変わりません。
ちょっと笑えます。(今までの作業は全くの無駄)
イモハンダ部分映像 youtube
どう考えても不良は電源系統です。
電源(電池)からの配線を顕微鏡で詳細に調べます。
すると、電池からのマイナス(-)線がイモハンダでした。
イモハンダ:半田が付いているように見えるけれど、浸透していない。半田と電線とが機械的には接触しているが、表面が合金化していない。 半田だけが、表面張力でイモのような形になる。
google 画像検索「イモハンダ」
よくある初期の半田付け不良です。
このテスターは15年以上前に買ったものです。
機械的接触面に酸化膜が形成されて、今頃不具合を生じさせたわけです。
いつも使って、振動を与えていれば、たとえイモハンダでも接触面がこすれ、酸化膜を除去できていたので不良に至らなかったのかもしれません。
世の中の電化製品には、こういう例(長期間使用後にハンダ不良での接触不良)で故障するものが多く有ると思います。
製造過程でも、こういう部分が盲点なのだと感じました。
(回路基板は、熟練者による検査体制が作りやすいけれど、基板を組み込む作業は、技術のない人でも出来ると考える。)
イソプロピルアルコールをかけすぎて不具合を起こすこともあるというのは乾燥不十分だとということでしょうか? そういえばconnetor pinなどにジャバジャバかけるのが好きな人も昔はいましたね。
中学の時に夏休み中にトランジスタラジオの基盤の半田付けのアルバイトをしたことがあります。(日給600円ぐらいでした)
何の教育も受けずに見よう見まねでやったのですが、半田を盛らなくていいところにまで盛ってしまって迷惑をかけてしまったことを思い出しました。
イモ半田もかなり有ったと思います。
コネ久タのピンはまだしも、ソケットに繊維を使うと残って最悪だと思います。洗浄後の処理(エアーブローとか)が必要ですね。
あと、夏とかの湿度が高いときはアルコールの気化熱で冷やされて結露の問題がありますね。
液体が残ると、絶縁不良も怖いですし。
半田付けは熟練を要する高度な作業なのだと思います。