2019年03月18日

修理相談〜 スキャンスナップ500原稿がなかなか送り出せない

男の子 お世話になっております
富士通のscansnap s500についてです
先日オークションサイトで15000円程で売られていました。新品でしたので、多少古くても問題ないかと思い購入しました。実際に届いたものは、外箱は多少経年劣化があったものの、コード類やCDなどは未開封状態でほぼ新品に間違いなかったです。
何度か使用したのですが、原稿がなかなか送り出せない事が分かりまして、メーカーサポートに確認したところ、どうやら原稿を送り出すローラーのところに本来ついていなくてはいけないゴムのようなものが長年未使用だったため溶けてなくなってしまったとのことでした(画像3枚目)、2006年に発売されたもので13年も経過しサポートもとっくに終わり当然部品もない状態なので修理不可とのことでした。しかしこちらとしては15千も払って購入して使えませんではなんか納得がいかなくいろいろ探しているところでこちらのブログを見つけましたのでご相談させていただいています。
どうにかなりますでしょうか

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うらやましい うー
SCANSNAPは、原稿取り込みや書籍の電子化で定番の良い商品だと思います。
状況は典型的な経年劣化ですね。
まとめて入れた原稿を一枚一枚確実に取り込むために、いろいろな工夫がされていると思います。

取り込み不具合は、取り込み用ローラーの劣化が多いと思います。
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取り込みに関係するローラー部品(赤丸)
これが、適度な弾力と摩擦を持っているのですが、写真では劣化しているようには見えません。

ローラーを交換された方のサイトを見ると、激しく劣化していることがわかります。


自炊生活は楽しい♪  >> 5年後、ローラーがダメになったので交換
https://zigsow.jp/item/39393/review/238472


大きなローラーは、消耗部品として今でも入手できるようです。
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富士通のサイトより。

ピックローラユニット 交換周期は1年ごととされていますから、長期保存品はきれいに見えても劣化しているのかもしれません。
結構なお値段しますね。


ピックローラユニットは、Amazonなどで入手できます。


もう一つ、劣化消耗部品として、パッドがあります。
メーカーのサポートでは、こちらのことを言っているのかもしれません。
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富士通 パッドユニット (S500シリーズ用) FI-C511P

こちらは、ローラーよりは安価ですね。
いずれにせよ、消耗部品ですので、いずれ交換する必要がでると思います。

 

おすすめの対処


(1)とりあえず、ゴムやローラー部品で取り込む紙と接触する部分をアルコールや、溶剤で拭いてみるだけでも効果があると思います。
専用クリーナがベストですが。
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富士通 クリーナF1 FI-C100CF1

(2)パッドユニットの交換

(3)ピックローラーの交換

(2)(3)の交換は、簡単にできるようです。

トータルで見ると金額が増しますが、手で取り込むことを考えると費用対効果は十分にあると思います。

ただし、本音を言うと。 自分ならあきらめて、オークションでジャンクとして売って、新型を買いなおします。総合的にその方が幸福感が高いと思います。

あー 一つ自分ならやる対策として、シリコンテープ(自己融着型)を巻くと効果あります。
ただし、効果は短期間ですが。 紙(原稿)の表面には、細かい繊維やほこりがついていて、これがローラーに付着します。ですから、結局こまめな清掃が必要です。
  
巻くといっても、しっかり巻かないと、ほどけてしまいます。
ピックローラを外し、確認。 ねばついたり、へこみがあるようなら全部はがす。
芯(樹脂)の部分だけきれいにして、シリコンテープを伸ばしながら巻き付ける。
ローラの本の直径になるまで巻く。 (円周上に自己融着して、厚めのゴムローラのようになります。)

 

>その後 受領。検査でローラーが解けてまして、シリコンテープで修理

posted by 家庭用品修理士隊 at 23:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | 修理改造相談

2019年03月11日

修理相談: お風呂のジェットバスポンプ

Messenger 相談メール:
お風呂のジェットバス(タカラスタンダード。ヘルシージェットポンプ。HJP300)時間設定が出来ません、5.6秒泡出て止まります。今までは、15分のタイマーで使用していました。時間設定のネジが付いていますので、回しても直りません。なんか空回りしているんじゃないかと思います?直利ますか。お願い致します。


男の子 こんにちは。
うーん ネットで検索しても、どんな製品がわかりません。
かなり大がかりな工事が必要な装置のようで、情報が少ないですね。

すぐに止まるというのは、タイマーのせいかどうか不明です。
何か不具合を検知して、保護回路が働き、強制停止しているかもしれません。

それに時間調整のネジ? というのも良く見えません。
昔のタイマーには、そういう感じの調整があったかもしれませんが。
今どきは、ソフトウエアで設定するのでは?

ネットで、修理予約ができるようですの、メーカさんに見てもらうことをお勧めします。



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http://support.takara-standard.co.jp/front/app/repair/repair_edit;jsessionid=17795A87298CB1046E2BD050E4EB92BB

posted by 家庭用品修理士隊 at 12:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 修理改造相談

2019年01月26日

プロ用スチームアイロン修理相談その後

相談元記事>の続き

男の子:ご連絡ありがとうございます。この連休中に荷造りできると思いますので一度検査の方をお願い致します。


墨田のY:初期検査
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修理依頼品が届きました。 きれいな感じです。持ち手の部分がコルクですが、新品のようです。

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Made in Italyもかっこいい。
イタリアの高級車を思わせるデザインです。

分解前に通電状態を確認しました。
写真の右が電流計(クランプメーター)です。
クランプメータを使って作動電流を調べれば、ヒーターやサーモスタットの状態を探れます。

image_thumb[6]

スイッチは、アイロンこてと、ボイラーとが別になっています。
ロッカースイッチなのですが、ONになる方向が、日本製とは逆に感じます。
(手前に押すと入る)
それで、ヒーター電流は2.51[A]。100[v]ですので、251ワット[W]ということになります。

image_thumb[12]

ボイラー側は、3.42[A] 流れます。 なるほど。340ワットのヒーター性能なら水を沸騰させ蒸気にするには十分でしょう。
・つまり、これでヒーターは切れていないということがわかります。

次はサーモスタットを調べます。

image_thumb[13]

と、気づくと電流が0になっています。 もうヒーターが切れた?

image_thumb[14]

ボイラーのスイッチは入れたままです。 まだ温まっていないのでは?
これは故障かな?


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実際に蒸気が出来ているのか。 ちょっと危ないので気を付けながら、注水口を緩めると、「シュー」という音とともに蒸気がでました。

よくわかりません。
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蒸気ができているのに、グリーンランプ(蒸気OK)が点灯せず。
しかし、電流は切れている。 なんかおかしい。
水がないなら点灯するはずの注水ライトも点灯しないし。

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仕切り直し。
とりあえず注水量が少なかったので。 水道水を1リットル入れてやりなおし。

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ボイラーが温まるまで、コテの温度を測定。
最高(MAX)で208度C
正常のようです。

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10分くらいして気づくと、スチームグリーンライトが点灯しています。

スチームも正常に出ました。


スチームが出たので、故障ではない感じです。
移動中の振動で直ったのかもしれません。

ただ、注水ランプが点灯しないのは気になります。
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注水ランプは、最初の通電で点灯しなければなりません。
なぜなら、タンク内に水がほとんどなかったから。

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分解してみます。 ネジは4本だけでした。 星形で中心に突起のある特殊ねじ。
いままでこの種のネジは単に分解防止だと思っていました。
ですが、作業性が良いなと気づきました。
ネジがはまり込んで、磁石のように付く(はまる)からです。

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耐熱シリコン電線で、ぐしゃぐしゃした配線。 個々の部品はきれいです。

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ここで不具合発見。

注水ランプ(ネオン管)からの2本の配線を追っていったところ、2本とも同じ端子に挿入されています。
これでは短絡状態ですので、ランプは永遠につきません。
少し悩んで、配線を直しました。 電線は全部で4本。
(端子はロックが掛かる構造なので、ひっぱっても抜けません。ロック板バネを押してロックを外した状態で引き抜く必要あり。また一つの端子に電線1本の場合と電線2本が一つの端子に入っている場合とがある。)


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配線修正後。

青く見えるのは、テンプセンサ(温度スイッチ)です。
その端子の両端にネオンランプの配線(白線)がくるように修正。

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注水ランプの点灯確認のため、注水口を外し、内部の水分が抜けるようにする。

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しばらくすると、注水ライト(ランプ)が点灯。
今回の作動テストで、初めて点灯しました。
最初の電流検査でボイラヒーターの電流が0になったのは、この注水ライト(空焚きスイッチ)が作動して、ヒーターを自動的に切ったからだとわかりました。 (グリーンライトが点灯しなかったのは、水が少なかったので、蒸気圧力が高まらなかったため。)

今回の検査結果:注水ライトの不具合はあったものの、スチーム機能は問題ないです。

わかった構造の概要。
・ボイラのヒーターを制御(on/off)するのは、ボイラ内の圧力スイッチ。
圧力スイッチは、通常オン(短絡)でヒーターを作動させる。 ヒーターで水が熱せられ、発生した蒸気でボイラの内圧が上がると圧力スイッチがオフに作動。するとヒーターが切れ、圧力スイッチ間に生じた100Vでスチーム可(緑)ライトが初めて点灯。

この緑ランプ(ライト)が点灯しているときは、圧力が高いことを示し、ヒーターは切れている。 スチームを使用してボイラタンクの圧力が下がると、圧力スイッチが復帰し通常オン状態に戻る。 すると圧力スイッチの端子両端には100Vが生じなくなるので、スチーム可(緑)ライトは消える。同時にヒーターが再度発熱開始。 この繰り返しでボイラタンク内の圧力が一定の変化内に収まる。

・注水ランプは、ボイラ温度が上がると注水(空焚き)スイッチのバイメタルが作動しヒーターを切る。 するとスイッチ両端には100Vが生ずるので点灯。つまり 注水(温度)スイッチは、空焚きを検出するスイッチといえます。

・スチームバブルスイッチ(こて先のスイッチ)は、アイロンの電源を入れると作動。
つまり、コテは単体で使えるけれど、ボイラー単体では使えない。
ボイラーを使うときはコテの電源が必要。(ボイラーからの蒸気がコテで冷えてしまうと水滴が発生するため。)
 
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スチームボイラのヒーター回路

posted by 家庭用品修理士隊 at 11:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 修理改造相談
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